フライパンの種類とそれぞれの長所短所。失敗しない選び方。

フライパンの種類で料理の味が変わります。

調理道具の主役とも言えるフライパン。鉄製やアルミ製、フッ素(テフロン)加工やセラミックコーティングされたものなど様々な種類がありますよね。それぞれに特徴があり、食材や調理方法に向き不向きがあるので、フライパンを変えるだけで料理の味がびっくりするほど変わったりしますよ。

このページではフライパンの種類ごとの特徴、それぞれの長所や短所をご紹介します。

フッ素(テフロン)加工のフライパン

もっとも普及していると思われる、表面にフッ素(テフロン)加工を施したもの。本体はアルミ製のものが一般的です。サイズにもよりますが量販店などで1000円ぐらいから売られていますね。

特徴は軽くて扱いやすく、表面加工のおかげで食材がくっつきにくいこと。使い終わった後も食器と同じように中性洗剤で洗ったあとに水分を拭き取ればおしまいです。

短所としては一般的に耐久性が低いと言われています。表面加工を守るために金属製のフライ返しは使わないほうが良いでしょう。また高温に弱いので強火は厳禁です。フッ素加工のフライパンの耐熱温度は約250〜270度ぐらいと言われていますが、一般的なガスコンロの強火で空焚きするとあっという間にそれを超えてしまい、表面加工の劣化につながります。

使用頻度によりますが、大体1〜2年程度使うと食材がくっついたり焦げ付きやすくなってきます。値段的にも消耗品と割り切った方がいいでしょう。その代わり扱いやすさやお手入れの簡単さはフライパンの種類の中ではトップクラスですから、火加減などに注意して便利に使いましょう。

フッ素(テフロン)加工のフライパンの長所と短所

長所

  • 商品の種類が多く、価格の安価なものも多い
  • 軽くて扱いやすい
  • 食材がくっつきにくい

短所

  • 耐久性の低さ(1〜2年程度で劣化する)
  • 強火で使うとさらに劣化が早くなる

関連記事 : フッ素(テフロン)加工、ダイヤモンドコート・マーブルコートフライパンのまとめ

おすすめのフッ素(テフロン)加工のフライパン


ダイヤモンドコート・マーブルコートのフライパン

ダイヤモンドコートやマーブルコートはそれぞれフッ素加工の種類のひとつです。摩耗に弱いフッ素加工の耐久性を高めるために開発されたもので、フッ素に硬い人工ダイヤモンドの粒子や大理石(マーブル)の粒子などを混ぜて耐久度を増しています。

フッ素(テフロン)加工の弱点である低い耐久性を補いつつ、食材がくっつきにくいなどのメリットを長く保てるという特徴があります。商品によっては油を引かずに調理しても引っ付きにくい!なんて謳っているものもありますね。とは言っても表面加工をより長く保つために、摩耗や火加減には注意が必要ですよ。お手入れはふつうの中性洗剤で洗うだけでOKなので楽チンです。

ダイヤモンドコートやマーブルコートのフライパンの長所と短所

長所

  • 通常のフッ素(テフロン)加工のものより耐久度が高い
  • 食材がくっつきにくい
  • お手入れが楽

短所

  • 表面加工が劣化すると食材が焦げ付きやくっつくやすくなる

関連記事 : フッ素(テフロン)加工、ダイヤモンドコート・マーブルコートフライパンのまとめ

おすすめのダイヤモンドコート・マーブルコートのフライパン


鉄製のフライパン

プロの料理人が使う事が多いのは圧倒的に鉄製のフライパンです。様々な調理方法をこなせる万能さを持っています。

頑丈で耐久度が高く、熱伝導率の良さと保温性・蓄熱性に優れていることから、ステーキやハンバーグなどのグリル料理、強火で短時間で調理することが大事なチャーハンや野菜炒めなどの中華料理などに向いています。深さのあるものであれば煮込み料理や揚げ物にも使えます。

短所としては使用前後にシーズニング(油ならし)などお手入れの手間がかかること。この作業を行わないと食材がくっつきやすくなりますし、錆も発生します。(ただし錆びてしまっても復活させる方法はあります) また物によってはかなりの重さがありますので扱い辛い場合も。

総合的には万能でおすすめのフライパンです。お手入れの手間はかかりますが、使い込んで油が馴染むほど焦げ付きにくくなるなど、道具を育てる楽しさも感じられると思いますよ。

鉄製のフライパンの長所と短所

長所

  • 丈夫で耐久度が高く数十年使える
  • 熱伝導率と蓄熱性の良さ、強火に強い
  • 使い込むごとに焦げ付きにくくなる

短所

  • 重くて扱いづらい
  • 使用前後に油ならしなどのお手入れが必要

関連記事 : 鉄製フライパン・スキレットのまとめ

おすすめの鉄製のフライパン


スキレット

スキレットとは鉄製フライパンの種類のひとつで、鋳鉄製(キャスト・アイアン)で、とくに肉厚(2~5mmぐらい)のものがこう呼ばれています。その丈夫さからアウトドアの調理アイテムとしても定番ですね。

特徴は鉄製フライパンと同じですが、より保温性・蓄熱性に優れ、グリル料理以外にもパエリアや煮込み料理、揚げ物などにも使えます。本体と同じ鋳鉄製のずっしりとした蓋を使えば、蒸気を逃さない圧力効果を活かした調理も可能です。

短所はやはり使用前後のお手入れが必要なことと、肉厚な分とにかく重たいこと。一般的な24〜28cmぐらいのサイズだと2kgを超えますので片手で扱うのは厳しいかもしれません。ただし小ぶりなサイズのスキレットも多くありますのでご安心を。一人前分の料理を熱々のスキレットに乗せてそのまま食卓に出すというカフェっぽい使い方もおしゃれでおすすめです。

スキレットの長所と短所

長所

  • 丈夫で耐久度が高い
  • 熱伝導率と蓄熱性の良さ
  • 様々な調理方法が使える

短所

  • 重くて扱いづらい
  • 使用前後に油ならしなどのお手入れが必要

関連記事 : 鉄製フライパン・スキレットのまとめ

おすすめのスキレット


アルミニウムのフライパン

イタリアンのシェフなどが使うアルミニウムのフライパン。パスタ料理やソースを作るのに向いています。

熱伝導率が高く、微妙な火加減で温度調節しながら使うことが出来ます。とても軽量なので取り扱いも楽です。銀色なので食材やソースの色を確認しやすいのも特徴です。

短所は高温に弱いことと、油馴染みが良くないため食材がくっつきやすいこと。グリルや炒め物には不向きです。普段使いとしては少々扱いにくいので、水分の多いパスタ料理専用フライパンと考えた方がいいかもしれませんね。

アルミニウムのフライパンの長所と短所

長所

  • 熱伝導率が高く、微妙な火加減にも対応できる
  • 軽くて扱いやすい

短所

  • 強火で使用すると劣化が早い
  • 油馴染みが悪く食材がくっつきやすい

関連記事 : アルミニウムのフライパンのまとめ

おすすめのアルミニウムのフライパン


セラミック加工のフライパン

表面をセラミックでコーティングしたフライパン。白く美しい見た目が人気のフライパンです。

セラミックは非常に硬く、耐久性が高くて丈夫です。また耐熱性・蓄熱性も高いので熱が食材にムラなく伝わります。使用後のお手入れも楽で錆びることもほとんどありません。

焦げ付きにくいのもセラミックフライパンの特徴ですが、そのためには使用時、全体にしっかりと油を馴染ませることが重要です。油が足りなかったり火力が強すぎて食材がくっついてしまうと、途端にくっつきやすい・焦げつきやすいフライパンになってしまいますので注意が必要ですよ。強火は厳禁。火加減は中火までと覚えておきましょう。

セラミックのフライパンは使用方法に気をつければ耐久性も高く高機能です。なによりも真っ白な美しい見た目が一番の特徴といえるかもしれないですね。オシャレに料理したい方にはオススメです。

セラミック加工のフライパンの長所と短所

長所

  • 耐久性・耐熱性が高い
  • 見た目が美しい
  • お手入れが楽

短所

  • 使用時にしっかり油を塗る必要がある
  • 強火で使用すると劣化が早い

関連記事 : セラミック加工のフライパンのまとめ

おすすめのセラミック加工のフライパン


銅のフライパン

高級感のある銅のフライパン。熱伝導率の高さが特徴です。

日本の家庭ではあまり馴染みのない銅のフライパンの特徴は、熱伝導率が非常に優れていることです。フライパン全体に熱がすばやく、均等に伝わります。火加減の調節が食材にダイレクトに伝わるので繊細な料理に適しています。パンケーキも低温でじっくり焼くことでとてもふっくらさせられますよ。お手入れも通常の食器用洗剤で洗うだけなので簡単です。

短所は鉄のフライパンと同じぐらい重たいので、サイズによっては取り回しが少し大変なこと。また「高級フライパン」とも呼ばれる銅製ですので、アルミ製や鉄製と比べると価格帯は少しお高めです。

銅のフライパンの長所と短所

長所

  • 熱伝導率が非常に高く、効率的な料理ができる
  • お手入れが簡単で錆びにくい

短所

  • 重たくて扱いづらい
  • 価格の高いものが多い

おすすめの銅のフライパン


まとめ

このようにフライパンの種類によって特徴や長所短所は様々です。

当サイトとしては、鉄製のフライパンとマーブルコートなどのフッ素加工フライパンをサイズ違いで併用するのをおすすめします。
万能で強火もガンガン使える鉄製のフライパンをメインで使い、お手入れの時間が取れない忙しい朝などはフッ素加工フライパンでささっと作って片付ける。そんな使い方はいかがでしょうか?

各フライパンの更に詳しい特徴やおすすめの商品などはそれぞれの個別ページにて紹介していますのでそちらも是非ご覧ください!