ガンプラの種類(グレード)、それぞれの違いと特徴 【HG、MG、PG、RG、RE/100】
ガンダムのプラモデル、通称「ガンプラ」は1980年に発売された「1/144 ガンダム」以来、現在までに様々な種類・シリーズが販売されてきました。
ガンプラはその大きさ(スケール/縮尺)や商品コンセプトによっていくつかのグレードに分かれています。ではグレードによってどういった違いがあるのでしょうか?
現在の主流は HG、MG、PG、RG、RE/100 の5種類
ガンプラは1980年に発売された初代ガンプラ(いわゆる「旧キット」と呼ばれるシリーズ)が今でも生産・販売されていますが、現在主流として販売されているのは、
- HG(ハイグレード)
- MG(マスターグレード)
- PG(パーフェクトグレード)
- RG(リアルグレード)
- RE/100(リボーン・ワンハンドレッド)
この5種類です。
これら5つのグレードに加えて「メガサイズモデル」や「ハイレゾリューションモデル」といったシリーズも販売されています。
ではそれぞれのグレードの違いはどういったものでしょうか?
サイズ(スケール)の違い
各グレード毎にそれぞれ統一されたサイズ(スケール)展開がされています。
- HGとRGは1/144
- MGとRE/100は1/100
- PGは1/60
全高18メートルのガンダムの場合、1/144なら約13センチ、1/100なら約18センチ、1/60なら約30センチとなります。
組み立てやすさの違い
詳細は後述しますが、グレード毎に組み立ての難易度も変わってきます。
簡単な順に並べると、「HG → RE/100・RG → MG → PG」となります。
組み立ての難易度はパーツ構成やパーツ数によって大きく変わるので、比較的パーツ数の少ないHGは組み立ても簡単です。例えば同じガンダムでもHG版なら初心者の方でも1時間ぐらいで完成させられますが、MG版だと数日は掛かるでしょう。
ちなみにパーツ数が多いほど価格も上がるので、組み立て難易度と価格帯はある程度比例してきます。
初心者にオススメのグレードはどれ?
初心者の方やひさしぶりにプラモ作りに復帰する方などには、組み立てやすく低価格なHGをおすすめします。ガンプラの中で一番ラインナップが豊富なシリーズなのできっと気に入る機体が見つかるはず。
ちなみにHGは1999年の発売から20年近く経つシリーズで、既に200種類以上のキットが発売されています。当然古いキットと最新のキットとでは完成後のクオリティや可動範囲にかなり差があるのですが、定番人気のガンダムやZガンダムなどは何度かリニューアルされています。(古い方も販売され続けているので注意)
↑最新バージョンのガンダムとZガンダム。よく動くのであらゆるポーズが取れます。
プラモデルと一緒に最初に買うべき道具
現在発売されているガンプラはどのグレードも接着剤不要のスナップフィットキットです。なのでランナーからパーツを切り離すニッパーさえあれば完成させられます。
ニッパーは安いものもたくさんありますが、出来れば1000円以上のものをおすすめします。切れ味や切り離したゲート跡の見た目が全然変わりますよ。
ガンプラはパーツ毎にある程度色が別れているので塗装をしなくても設定に近い状態に完成しますが、パーツに掘られた溝にスミ入れをするだけで陰影やメリハリが付き、完成度がグッと上がります。
初心者の方にはペンタイプの流し込みスミ入れペンをおすすめします。溝にペン先を当てるとインクが流れていき、ハミ出たインクはティッシュや綿棒で拭き取れます。
ではここから各グレード毎の特徴を紹介していきます。
HG ハイグレード(1/144スケール)
「HG(ハイグレード)」はガンプラのスタンダードモデルと呼べるブランドです。商品のラインアップが最も豊富で、価格帯も700円~2000円ぐらいとガンプラの中では最も手頃です。
大きさは1/144スケールで統一されています。全高18メートルのガンダムなら13センチぐらい。手のひらサイズながら関節等の可動部はよく動き、様々なポージングも可能です。
パーツ数は他のグレードと比べると比較的少なめなので、初心者の方や久しぶりにプラモ作りに復帰する方などは、まずHGから始めるのがいいかと思います。
HGの新作・おすすめ・話題のキット
MG マスターグレード(1/100スケール)
「MG(マスターグレード)」は精巧な内部フレームとベストプロポーション、自由自在な可動ギミックを追求したブランドです。価格帯も2500円~8000円ぐらいと高め。
大きさは1/100スケール。全高21メートルのユニコーンガンダムなら21センチ。武器類を含めて30センチ近くになるキットも少なくありません。
HGとの違いに可動範囲の広さと内部構造を再現していることが挙げられます。内部フレームを組み立て、その上に装甲パーツを取り付ける構造になっているので、一部の装甲を外して中のメカを露出した状態などで飾ることも出来ます。
可動範囲はHG以上に動き、自在なポーズを取ることが可能です。可動ギミックも多く、例えば足を曲げると内部のシリンダーと装甲パーツが連動して動いたりします。
Zガンダムやユニコーンガンダムのような変形MSは、パーツを外さずに完全変形が可能です。(HGの場合は一部のパーツを挿し替えて変形させるか、そもそも変形不可な場合も多い)
内部パーツや多彩なギミックがある分、パーツ数も多く組み立ての難易度はやや高め。ただ新しいキットほど組み立て安さにも考慮されているので、時間を掛ければ誰でも完成させることは出来ると思います。
パーツ毎の色分けもほぼ完璧なので、塗装しなくても設定通りの状態に完成します。
MGの新作・おすすめ・話題のキット
PG パーフェクトグレード(1/60スケール)
「PG(パーフェクトグレード)」は 1/60スケールで展開されるガンプラの最高峰ブランドです。最新の技術を搭載し、内部構造・外観の造型はMG以上のクオリティです。価格帯は10000~20000円とこちらも最高峰。
内部構造や多彩なギミックがある分、パーツ数はMG以上に多く、組み立て難易度も高いです。(組み立て難いわけではなくパーツ分割が細かいので時間が掛かります。腕一本組み立てるのに一日掛かるなんて事も・・・)
ラインナップは少なく、ほぼ主役クラスのMSしかキット化されていません。
価格や組み立て難易度から初心者の方にはおすすめ出来ないかもしれませんが、いつかは手を出したい究極のグレードです。
PGの新作・おすすめ・話題のキット
RG リアルグレード(1/144スケール)
「RG(リアルグレード)」は緻密なパーツ構成や質感表現を実現したシリーズです。
大きさはHGと同じ1/144スケールながら可動やギミックはMG並という精巧さ。ある意味「MGの1/144バージョン」と呼べるかもしれません。価格帯は2500~4500円ぐらい。
比較的新しいシリーズということでラインナップはまだ少なく、主役クラスの各ガンダムとザク系、ズゴックぐらいしか発売されていません。今後の展開が期待されます。
組み立て難易度はHG以上MG未満といった感じ。1/144というスケールでパーツ分割が細かいので、小さいパーツはほんとに小さいです。その分難易度が高く感じるかもしれません。ある程度ガンプラを作り慣れてる人でないと辛いかも。
パーツの色分けはほぼ完璧ですので、塗装せずに組み立てるだけで設定通りの状態になります。またキットに付属するコーションマークやRG独特のラインマークなどのシール(リアリスティックデカール)を貼ればMG以上の精密さに仕上がります。
RGの新作・おすすめ・話題のキット
RE/100 リボーン・ワンハンドレッド(1/100スケール)
主流であるHG、MG、PG、RGに次ぐ新しいコンセプトで始まった新カテゴリーが「RE/100(リボーン・ワンハンドレッド)」です。スケールはMGと同じ 1/100スケール。
MGと同サイズですがパーツ構成や内部フレーム・可動ギミックを簡素化して組み立てやすくなっています。いわば「HGの1/100バージョン」と言えるかもしれません。ただし完成後のディティールの精巧さはMGと遜色のないものになっています。
パーツ構成が簡略化されている分、価格帯は3000円~6000円ぐらいとMGよりは若干安めです。
注目すべきはそのラインナップで、他のシリーズではキット化されていないマニアックな機体が発売されています。ガンダムマーク3やディジェ、バウなど。
内部フレームがない分価格を抑えられるからなのか、ナイチンゲールやハンマ・ハンマといった大型MSもキット化されています。今後は「MGでは難しい機体はRE/100で」という流れになるのかもしれません。
RE/100の新作・おすすめ・話題のキット
メガサイズモデル(1/48スケール)
「メガサイズモデル」は 1/48スケールというガンプラの中で最大のスケールで展開されるシリーズです。ガンダムなら全高36.5センチという巨大サイズ。
パーツ数はひかえめでHGよりも簡単に組み立てることが出来ます。また他のシリーズ同様スナップフィットキットなので接着剤は必要ありませんが、なんとメガサイズモデルはパーツをランナーから手で取り外す事ができるのでニッパーも不要です。
価格帯はスケールが大きいだけあり8000~12000円とやや高め。また商品ラインナップはかなり少なく10種類もありません。
他のシリーズとははっきりコンセプトが違う感じで、とにかくお手軽に大迫力のスケールを楽しめるシリーズとなっています。
メガサイズモデルの新作・おすすめ・話題のキット
初心者におすすめのガンプラはどれ?
プラモデル初心者にはまずHG(ハイグレード)のキットをおすすめします。比較的パーツ数も少なめで複雑な内部構造などもないのでサクサクと組み立てられると思います。
少し慣れたらより精巧なMGやRE/100に挑戦するといいのではないでしょうか。基本的にパーツ数・工程が増えるだけで、組み立て方はHGもMGもPGも同じです。時間を掛ければ誰でも完成させることが出来るはずです。
古いキットにご注意
HGもMGも15年以上続いているシリーズなので、初期に発売されたキットと最新のキットでは、プラモデルとしての完成度に大きな差があります。可動範囲や組み立てやすさもそうですし、新しいキットは完成後にパーツの合せ目やゲート跡がほとんど目立たない位置に来るように設計されていたりします。
なので初心者の方は出来るだけ新しいキットを選ぶというのもポイントかもしれませんね。もちろん一番は自分の好きな機体を選ぶことですけど。